ホセ・ルイス・ゴンサレス 略歴:
ホセ・ルイス・ゴンサレスは、1932年7月2日、スペイン・アリカンテ県のアルコイに生まれる。アマチュアギタリストの父の影響でギターをはじめ、隣町ガンディアのギタリスト、サルバドール・ガルシアに学ぶ。その後ギターの盛んなバレンシアに出て同地の音楽院で音楽理論を学び、ギターはラファエル・バラゲールに師事した。
若くして才能を認められたホセ・ルイスは、当時、世界最高の教授とうたわれたマドリッド音楽院主任教授のサインス・デ・ラ・マーサに3年間師事し、「私の生徒で最もすぐれたギタリストの1人」と讃えられる。その後、1958年にはサンティアゴ・デ・コンポステラのセゴビアのマスタークラスに出席し、それを契機にセゴビアの愛弟子の1人となり、この名匠から「ホセ・ルイスの音色の美しさは無類である。良い音の出し方は彼に学びなさい」との賞讃をうけるまでになる。ホセ・ルイスは口癖のように、「セゴビアの右手、レヒーノの左手を併せもつことがギタリストの理想」と述べていたように、彼のテクニックはこの両匠から受け継いだものである。
1961年、北西スペインのオレンセで催された国際ギターコンクールで「マルガリータ・パストール賞」を獲得してからは、スペイン内外でコンサートを行い、どこでも絶賛を浴びる。セゴビアの紹介により、1962年から7年間オーストラリアに赴き、シドニー国立ギター音楽院ギター科教授を務める。日本に初めて訪れたのは1967年、このオーストラリアで活動していた時期、35才のときであった。
その間CBSレコード社より数枚のLPレコードを発売。ヨーロッパ、アメリカでも精力的な演奏活動を行なった。
その後スペインに戻った彼は、子供を次々に失う不幸に見舞われ、6年間ギターを放棄し、トラックの荷積み、洋服のセールスの仕事につくことを余儀なくされた。しかし1974年、日本人留学生たちの援助により奇跡的にカムバックし、翌年マドリッドのアテネオで行なったコンサートの成功により、再び活動を始める。
1980年、13年ぶりに日本公演を行い名声を得てからは、彼の住むアルコイに学ぶ日本人留学生は引きも切らず、その数は二百人にも達した。このことは今も歴史的事件として、ギター界に記憶されている。
1998年、7度目の来日公演を直前にした3月22日、心筋梗塞にて死去。享年65歳だった。
関連リンク:
Discography:
*この他にもLP、CDがあるが、いずれも廃盤となり入手は難しい。
下記に上げたものは、その中の一部である。
・ホセ・ルイス・ゴンサレス・ギター名演集 SRCR-1635
(1980/1984年録音/ソニー・ミュージックレコーズ)
試聴(新星堂サイト内)
詳細(CDJournal.com)
・南米へ愛をこめて PT-003
(1995年録音/)
詳細(現代ギター)
・ホセ・ルイスの至芸 - アルフォンシーナと海 32DC1031
・ひまわり 32DC1030
(1984録音/)
・アメリアの遺言 SRCR-8967
(1980年録音/)
詳細(CDJournal.com)
詳細(AMAZON.co,jp)
・虹の彼方に SRCR-8968
(1984年録音/)
詳細(CDJournal.com)
詳細(AMAZON.co,jp)